2014年にオープンしたチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」。
店頭での焼きたてにこだわり、おかげさまで多くの人に愛されるブランドに成長しました。

毎日何万個というチーズタルトを作り、ひとつひとつの美味しさに神経を行き渡らせる日々の中で、私たちはチーズという素材のポテンシャルを実感していきました。そして次第に、こう思うようになっていったのです。

まだ届けられていない、チーズの美味しさがある

チーズタルトだけでは表現できない、チーズの可能性。
「BAKE CHEESE TART」のスタートから6年目。私たちは、チーズタルトに向き合ってきた熱量そのままに、新たなチーズスイーツの開発を始めることにしました。

チーズタルトはすでに完成されていたため、それを超えるタルト系のお菓子を作ることは非常に困難でした。そこで考えたのは、チーズタルトの素材を使いながらも、まったく新しいチーズスイーツを作ること。タルトはクリームチーズに卵白を加えたムースを使っているため、チーズの濃厚さや食べごたえでいえば軽やかな部類に入るスイーツでした。
新しいお菓子は逆を行こう。チーズタルトにはない濃さや食感を堪能できるものを。それが、開発のアイデアの起点になりました。

まずは、ジャンルを決めずに様々なチーズスイーツを作っていきました。生菓子から焼き菓子まで何種類ものスイーツにチャレンジしてみたものの、スムーズにはいかず、完成直前で却下したものもありました。

チーズタルトの横に並べても負けない美味しさを

「BAKE CHEESE TART」を支持してくれている人に喜んでもらえるものを

自分たちに課したハードルは高く、お客さんからの期待値も高い中での挑戦。それは、予想以上に高い壁でした。

ただチーズが濃いだけでは足りない。新鮮な口どけや、食べた時の満足感があるもの。お菓子としてとびきり美味しいもの。

そしてもうひとつ、チーズタルトにない魅力。「日持ちがする」という条件を兼ね備えていることも欠かせませんでした。
チーズタルトは焼きたてのフレッシュさが一番の特長のため、４日以内に食べきることをおすすめしています。そのぶん、買って数日後に人にあげたり、贈り物として郵送したりすることはできないお菓子でもありました。

お土産として気軽にいつでも持って行ける。遠くにいる人にプレゼントとして贈ることができる。自宅で毎日少しずつ楽しめる。
日常のシーンにいつも寄り添える、そんなお菓子が作れたら。
その想いは2020年に突然訪れた新たな生活様式――家での時間が増え、人とのコミュニケーションの形が変わっていく中で、ますます高まっていったのです。

やれることはただ一つ、ひたすらトライ＆エラーを繰り返すこと。
チーズスイーツの研究や素材の配合を行い、長い時間をかけてようやくふたつの試作品が完成しました。

それが、ベイクドチーズケーキの「チーズスフレ」と「チーズテリーヌ」だったのです。

 

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▶︎ゆっくりメレンゲを立てて、ゆっくり火を入れる。育てるように作ったチーズスフレ

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